こんにちはタラスキンボンカースです。
10月半ばの、なんとすがすがしい空!
先日、峠にある茶屋のおばあさんから電話がかかってきた。
「もしもし。はつみつが採れましたよ。」
毎年、この時期になるとかかってくる電話です。
毎年10月半ばは、山に生息している『ニホンミツバチ』のはちみつを搾る時期なのです。
さっそく買ってきた『ニホンミツバチ』のはちみつ。
「今年もダメかと思ったけれど、意外と採れたよ。」と茶屋のおばあさん。
昨年もその前の年も、夏の暑さでみつばちの巣が溶けてしまったり、スズメバチに襲われてしまったりと、はちみつの不作が続いていたのでした。
『ニホンミツバチ』のはちみつは、山の中などに設置した巣箱に、在来種の野生のみつばち(ニホンミツバチ)が偶然に巣を作ってくれるのを気長に待つという方法で採れる。
偶然とはいっても、設置する巣箱には『ニホンミツバチ』が好きな香りのランの花を置いたり、ミツロウを塗って居心地の良い巣箱にしたりと、大歓迎で待つわけなのですが。
運よく住み着いた体の小さな『ニホンミツバチ』が、1年をかけて少しずつ集めるはちみつは、とろりと深い琥珀色をしていて、この辺りに咲いた1年分の花の香りがします。
例えばこの辺りだと柑橘類・菜の花・マーガレット・ヤマザクラ・ビワ・そして野の花のいろいろです。
買ってきた『ニホンミツバチ』のはちみつは、すぐには食べずに11月が終わるころまで棚に並べてしばし待ちます。
これは昨年の『ニホンミツバチ』のはちみつ。
11月の半ばころ、冬の気温に向けてすこしづつ冷えてゆくと、はちみつは徐々に固まりはじめて、その風味もいよいよ深く複雑なものになります。
こうなると『ニホンミツバチ』のはちみつの食べ時です。
『ニホンミツバチ』のはちみつが固形になるのには、深まる冬に向かう適度な温度降下速度が必要で、冷蔵庫に入れて冷やしたとしても同じようには固まりません。
『ニホンミツバチ』のはちみつを味わうべく、朝ごはんにパンケーキを焼いた。
口に入れた『ニホンミツバチ』のはちみつは、まさに自然の恵みというのにふさわしい、慈悲深い味がするのでした。