こんにちはタラスキンボンカースです。
ピロロ・・・。(ケータイ)
「おはようございます。いま舟のところにいるんだけどね、アジ食べる?」
今朝、集落のおじさんからそんな電話がかかってきた。
「たっ!食べます!!」
「じゃぁ、今からもっていくよ。」
「タコのカゴに入ってたんだ。」おじさんは海にタコ捕りのカゴを仕掛けていて、「カゴの中にはタコのほかにいろんな獲物が入るんだ」と、先日わたしに教えてくれたばかりでした。
「アジが入るのは珍しいんだけどね。」
そういって、軽トラの荷台に乗せたバケツから、ピチピチとはねているアジ(メアジ)4尾とカサゴ1尾を袋に入れて渡してくれた。
おいしく食べる方法を、おじさんが簡単に説明してくれた。
私たちの暮らしている集落では、ごく普通に男の人たちが料理をする。
捕った魚を捌いて刺身に造るのはたいてい男の人の役目で、畑仕事の帰りに野生のミツバを摘んで卵とじにしするような家庭的な料理や、山からタケノコを掘ってきてそれで煮物を作ったり、はたまた夏ミカンの皮でかわいらしいオレンジピールを作ったり。
そんなふうに、おじさんたちがコトコトと台所で包丁を使っている様子をよく見かける。
というわけで、魚をくれるときに「煮つけがいいよ」とか「素揚げにしたらうまいよ」とか教えてくれるけれど「君、捌けるか?」なんて心配するひとは、まずいない。
あと、「塩焼き」とか「刺身」とかは当たり前の食べ方すぎるので、わざわざ言わない。
そんなわけで、わたしたちも魚の扱いにはだいぶ慣れた。
そしてこのスプーンは、私のひらめきメソッド。
こうしてスプーンを裏返してウロコを逆なですると、あらふしぎ。ぱりぱり飛び散らずにに簡単にウロコを取り去ることができるのです。
おためしあれ。
それぞれワタを取り除いて保存袋へ。
しかし保存するまでもなく、メアジ2尾は三枚におろしてお昼ご飯にバターたっぷりのムニエルとなりました。
このカサゴは夜ご飯に煮つけとなります。
そして残るメアジ2尾はいづれ塩焼きとなる予定です。
さっきまで広い海を泳いでいた魚はどれも、格別な味がしました。
辺りの自然がはぐくんだ幸を自分たちの手で料理していただくと、こういうもののありがたさや尊さや、はたまた自分もその自然の一部なんだなぁということに改めて気づく。
そして、そんな気づきの機会をくれる集落のおじさん、ありがとうございます。