2017/10/31

暮らし探訪

こんにちはタラスキンボンカースです。

月曜日、西伊豆町へ『暮らし探訪の旅』に出かけました。

伊豆半島の西側沿岸にある西伊豆町は、入りくんだ海岸線に沿って昭和30年代後半から40年代にかけて賑わいを見せた観光名所や、カツオ漁と鰹節の製造に繁栄した港町、船舶ドックのある美しい入り江など、時代の面影を残した風景が点々と連なる。

そんな港町では、様々な暮らしの面影を見つけることができる。
『堂ヶ島』は、西伊豆らしい観光名所のひとつ。

壮大な白い岸壁に碧い入り江、そこに松の載った小島が点々と並ぶ。

岬めぐりの観光船に乗って小島の間をぐるりと回るのが、『堂ヶ島』の楽しみ方なのですが、この日は海が荒れていて船はお休みでした。
白い崖に上がる、わずか100メートルほどの遊歩道があったので登ってみました。

水平線を一望する崖の上では、波しぶきと海風が爽快です。

海は荒れていて、落ちればあっという間に波間に消えてしまいそうですが、この先は自己責任でどうぞと言わんばかりの、手すりの途切れ具合がなんとも開放的。

力強い自然の造形を、いとも簡単に感じることができます。

『堂ヶ島』は観光で栄えた集落。
『堂ヶ島』から北へ3キロほど海岸沿いに進むと『田子(たご)』に着きます。

カツオ漁で栄えた『田子』は、入り江に臨む港町。
漁港から崖がせりあがるような地形の集落では、崖を駆け登る急こう配の階段の左右に、家々の玄関があります。

そして、その軒先をキャットウォークのように手すりのついた路地が水平に続いていて、まるで全体が網の目のように繋がっています。

加えて印象的なのは、多くの家が横張りの板壁で、なおかつパステルカラーのペンキでしっかりと厚く塗られていること。

ミントグリーン・ペールブルー・パルテルイエロー・ベビーピンク・ブルーグレー・ラベンダーといったそれらの色は、その家々の古さからしてどうやら船舶用のペンキを流用しているものと推測される。
(多くが船の内部に塗られているものと同じ色)

意図せずかわいらしい家並み。
一斗缶でこしらえたチリトリが下がるゴミ置き場。
番屋にある手作りの漁具。

人の手が加わったこれらの道具に、実直な暮らしぶりが伺われる。

工芸品や民芸品ではなく、またプロダクトでもないもの。
陽が傾いた海を見晴らすための椅子。

路地の先の、階段の途中に置いてあった椅子。
陽が沈む海とともに、今もある暮らしの風景。

地に足の着いた暮らし。