3月1日。
今日は毎月1日に僕たちの住んでいる集落で行われる『もちもちの掃除』の日でした。(集落のみんなが、おのおのの持ち場を掃除する日)
朝6時15分頃に大音量の放送が流れる。「時間になりました。掃除を始めてください・・・。」
僕たちの持ち場は、家から集落へ続く90段ある階段ということになっているので、一段一段、落ち葉をホウキではいて掃除を済ませます。
そうしているうちに薄暗い空にアサヒが昇って、すっかり良い天気になりました。
僕たちの庭も少し春めいて、小さな草花が温かそうにアサヒを浴びています。
庭をぐるっと回って、トゲトゲの植物たちをご紹介。
葉先を染めて、少し寒そうにしているのは、片手に乗るほどの素焼きの鉢に入った『ハナアロエ』。正式名は『ブルビネ・フルテスケンス』という舌を噛みそうな名前で、アロエのようだけれどアロエではないらしい。
水分をたっぷりと含んだ緑の葉っぱが陽の光に少し透けて見える。
2年ほど前には小さな一株だったのですが、いつの間にか4つに枝分かれした。
5月頃には黄色いカワイイ花をつけます。
リュウゼツランたち(アガベ)。
この2つのリュウゼツランは東京から連れてきたやつで、インテリアらしく小さな植木鉢に植わっていた。
当時ネギのように細くて柔らかな葉っぱだったのですが、伊豆に来た途端こんなに大きく・・・。
ブリキのバケツに収まっていますが、今にもあふれそうな勢いです。
チクリッ。
茶色く硬い葉っぱの先は、近づくものを刺す気満々の鋭さです。(なんども刺された)
一時期、庭の地面に植えたことがあったのだけれど、あまりに成長が加速したので慌ててバケツに収めた。
その後成長は緩やかになったものの、脇からは次々にコドモの株を生やすのでリュウゼツランの鉢が何となく庭に増えてゆく。
リュウゼツランのコドモ①。出てくるコドモは引っこ抜いてしまうこともありますが、こうして自分の鉢に引っ越しさせると、みるみる成長を加速します。
リュウゼツランのコドモ②
幼いときは、葉っぱにトゲがなくてかわいらしいのだけれど。
アロエその①
こちらはアロエ。
たくさんあるアロエの種類の中でもよく見かける種類のアロエで、『キダチアロエ』というやつです。
数年まえ、僕らが伊豆に暮らし始めて、ボサボサの竹藪だった庭を開拓しているときに、近所の民宿の”おねえさん”が分けてくれたやつ。
アロエの繁殖力がこれほど強いということを知らなかったものだから、直接地面に植えてしまって、アロエの繁みになった。
アロエは生命力が強くて、根元から刈り取っても地面に残った根っこからすぐに生え揃うし、刈り取った部分をその辺にほおっておくと、そこからどんどん成長を始める。
ずっしりと水分を蓄えているのでいつまでたっても枯れないし、しばらくのあいだ根っこがなくても全然平気らしい・・・。
そんなアロエも、11月頃にはオレンジ色の花を咲かせます。
↑咲いたときの様子。
花さえも、なんだか力強い様子。
キダチアロエは伊豆の陽気にベストマッチなようで、辺りにはキダチアロエの栽培農家が多い。
アロエ化粧水やアロエクリームなどとして、日本各地に出荷されているらしい。
アロエその②
このアロエは葉っぱが幅広でトゲがたくさんあるタイプで、名前は不明。
葉先が紅葉して寒そうにしていますが、季節が進むと全体が濃い緑色に戻ります。
こちらもブリキのバケツに収まっているので、爆発的に成長することはありません。
これも小ぶりながらオレンジ色の花をつけます。
こちらはユッカ。
ユッカはリュウゼツランと仲間の植物ですが、リュウゼツランが分厚くて重い葉っぱなのに対して、ユッカは薄くて硬い葉っぱです。
こちらは庭の土に直に植えているのだけれど、なかなか大きくならない。
ユッカとリュウゼツランは、 アロエのように毎年花をつけるのではなく、数十年後に一度だけ花をつけて、そして枯れてしまうのだそうです。
こうして葉っぱを広げている限りは、花をつけるための栄養を根っこに蓄えている最中で、熱帯地域では10~20年、日本では30~50年後には成長を止めて、枯れながら花をつけるのだそう。
これはまだコドモなので、まだまだ先のことなのですが、枯れちゃうんだ・・・。
↑これ。
今年のお正月に浜辺で見たユッカの花。
『マスト』と呼ばれる花茎が10メートルほどに伸びて、(1日10センチの速さで伸びるらしい)その先端にびっしりと花が咲く。
これを見た時には気づかなかったけれど、本当に下の葉っぱが枯れてる・・・。
庭のユッカとリュウゼツランが花をつけるころ、僕たちはどこでどうしているのでしょうか。
30年後・・・50年後・・・ユッカやリュウゼツランのお花見はできるのでしょうか。